エンジニアリング
2026年3月7日
ManusのMy Computer機能を徹底解説。AIがブラウザ、ターミナル、ファイル操作を自律的に行う新しいコンピューティングパラダイムとは。
#automation
#DX

これまで、AIエージェントは「クラウドの中の存在」でした。セキュアなサンドボックス環境でWebをブラウジングし、APIを叩き、様々なタスクをこなす。しかし、私たちの最も重要な仕事、日々の業務で使うファイルやアプリケーションは、クラウドではなく、手元のローカルコンピュータの上にあります。
この「クラウド」と「ローカル」の壁を打ち破り、AIエージェントの能力を真に解放する画期的な機能が、2026年3月16日に発表されたManusの「My Computer」機能です [1]。これは、AIエージェント「Manus」が、ついにあなたのデスクトップに降り立ち、直接あなたのPCを操作して仕事を手伝う時代の幕開けを意味します。
本記事では、この「My Computer」機能がどのように機能し、私たちの働き方をどう変えるのか、その革命的なポテンシャルを解説します。
「My Computer」機能は、新しくリリースされたManus Desktopアプリケーションの中核をなすものです。その仕組みは、驚くほどシンプルかつ強力です。
Manusは、Manus Desktopアプリを通じて、あなたのコンピュータのターミナル(コマンドライン)で命令を実行します。これにより、ローカルファイルの読み書きや編集、さらにはローカルアプリケーションの起動や制御が可能になります。
たったこれだけ?と思うかもしれません。しかし、「コマンドラインを制する者はコンピュータを制す」と言われるように、ターミナルを通じて行える操作は無限大です。ファイル操作、ソフトウェア開発、システム管理まで、PC上のほぼ全ての操作がコマンドラインから実行可能です。Manusは、この強力なインターフェースを手に入れたのです。

「ダウンロードフォルダに溜まった請求書PDFを、取引先ごとのフォルダに自動で振り分けて、ファイル名を『YYYY-MM-DD_取引先名_請求書.pdf』の形式にリネームして」
こんな面倒な作業も、Manusに頼めば一瞬です。Manusはファイル名を読み取り、内容を解析し、適切なフォルダを作成して、ファイルを移動・リネームします。何時間もかかっていた単純作業から、あなたは完全に解放されます。
「PC上にあるプロジェクトフォルダのソースコードを解析して、バグを修正し、新しい機能を追加して。できたらGitにコミットしてpushしておいて」
Manusは、あなたのPC上でVS Codeを起動し、PythonやNode.jsのコードを書き、デバッグを行い、Gitを操作します。あなたは、アイデアを自然言語で伝えるだけで、Manusが実際の開発作業を代行してくれるのです。まさに、24時間働くスーパーアシスタントプログラマーです。
自宅やオフィスで使っていないPC(例えばMac mini)にManus Desktopアプリを入れておけば、そのPCはあなた専用の強力なAIアシスタントに変わります。外出先からスマートフォンで「家のPCにある昨日の会議の議事録を探して、要約してSlackで送って」と指示するだけ。ManusがあなたのPCにリモートでアクセスし、タスクを遂行します。
私たちHumanoidは、「My Computer」機能の真価は、n8nのようなクラウドベースの自動化ツールと連携することで、最大限に発揮されると考えています。

これは、クラウドの強み(常時稼働、スケーラビリティ、豊富なSaaS連携)と、ローカルの強み(ファイルアクセス、アプリケーション操作、セキュリティ)を組み合わせた**「ハイブリッド自動化」**と呼べる新しいワークフローです。
具体例:請求書処理の完全自動化
このように、クラウドとローカルをシームレスに行き来する、これまで不可能だった高度な自動化が実現します。
Manusの「My Computer」機能は、AIエージェントがデジタルな世界(クラウド)から、私たちの物理的な仕事環境(デスクトップ)へと降りてきた、記念すべき一歩です。もちろん、AIにPCを操作させることへの信頼とセキュリティの確保は不可欠であり、Manusはユーザーが全てのコマンドを承認・管理できる仕組みを提供しています。
この新しい可能性に、私たちHumanoidは大きな興奮を覚えています。AIがあなたのPCの能力を最大限に引き出す未来。その設計と実装を、ぜひ私たちにお手伝いさせてください。
[1] Manus. "Introducing My Computer: When Manus Meets Your Desktop". 2026-03-16.