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2026年3月7日

郷将輝

【持論】マーケ支援会社がClaudeの業務活用を「全部公開」した意味──24業務リストが示す、プロフェッショナル価値の転換点

B2Bマーケ支援の山本伸弥氏がXで公開した「Claudeで行う24の業務リスト」を徹底解説。競合分析3日→30分、月次レポート1日→1時間の実測値の裏にある、プロフェッショナルの価値が「ブラックボックス」から「設計思想」へ移行する時代の本質を持論を交えて考察します。

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【持論】マーケ支援会社がClaudeの業務活用を「全部公開」した意味──24業務リストが示す、プロフェッショナル価値の転換点

はじめに:あるマーケターが投じた、あまりにも正直な「爆弾」

2026年3月6日、B2Bマーケティング支援を手がける山本伸弥氏(@arupoki)がXに投稿した一つのツイートが、業界に静かな、しかし確実な衝撃を与えました。タイトルは「【実例保存版】マーケ支援会社がClaudeでやっている仕事、全部書く──24の業務リスト」。

このツイートは、単なる「AI活用事例」ではありません。自社のマーケティング支援業務の実に7割でClaudeをどのように活用しているか、その具体的な業務内容、プロンプトの投げ方、得られる成果物まで、24項目にわたって「全部」公開したのです。まさに、自社の企業秘密とも言えるノウハウの完全開示でした。

競合分析3日→30分。 月次レポート丸1日→1時間。 SNS投稿1週間分の設計→2時間。

これ、全部Claude導入後の実測値。

衝撃的な工数削減の数字と共に語られたこのツイートは、瞬く間に19万回以上表示され、多くのマーケターや経営者の注目を集めました。この記事では、この「事件」とも言える情報公開が何を意味するのか、そして我々プロフェッショナルがこれからどう向き合うべきか、私の持論を交えて徹底的に解説します。

公開された「24の業務リスト」の衝撃

ブラックボックスからオープンへ:プロフェッショナル価値の変遷

まず、山本氏が公開した24の業務リストを見てみましょう。これは、マーケティング業務のほぼ全域をカバーしています。

分類 業務内容
❶ 戦略設計 1. 競合ポジショニング分析
2. ペルソナ設計
3. カスタマージャーニー設計
4. KPI設計の壁打ち
5. 施策優先順位の判定
6. リスク・反論シミュレーション
❷ コンテンツ制作 7. SEO記事の構成設計
8. 記事ドラフトのたたき台作成
9. 既存記事のリライト判定
10. メルマガ設計
11. ホワイトペーパー構成設計
12. LP構成・コピー案
❸ SNS運用 13. X投稿のネタ出し
14. 投稿文の壁打ち
15. スレッド構成設計
16. 投稿分析・改善案
17. リプライ・引用RT戦略
18. SNS→ブログ→メルマガの導線設計
❹ 分析・レポート 19. 月次レポート作成
20. 競合動向モニタリング
21. ABテスト設計・結果分析
22. アトリビューション分析
23. 解約・離脱分析
24. 経営層向けサマリー作成

驚くべきは、その具体性です。例えば「競合ポジショニング分析」では、「競合3〜5社のLP・サービスページのURLをClaudeに渡して『各社の訴求軸を表にまとめて。その上で、どの訴求軸がまだどの会社もカバーしていないか=空白地帯を教えて』と投げる」と、プロンプトの指示内容まで明記されています。さらに「Ahrefs or SEMrushで事前取得→CSVをClaudeに食わせると精度が跳ね上がる」といった、ツール連携のノウハウまで惜しみなく公開されています。

これはもはや、単なる事例紹介ではありません。自社の業務フローそのものを公開する「オープンソース化」です。

持論:プロフェッショナルの価値は「ブラックボックス」から「設計思想」へ

AI時代のプロフェッショナル:作業者からオーケストレーターへ

なぜ山本氏は、ここまで詳細にノウハウを公開したのでしょうか。彼はツイートの中でこう語っています。

「AIを使ってる」と言うマーケ支援会社は増えた。でも「具体的にどの業務で、何をどう投げて、何が返ってくるか」まで全部公開している会社を僕は見たことがない。 だから今日、全部書く。24業務。出し惜しみなし。 理由はシンプルで、クライアントの方がClaude Proを契約して自分で分析を始めている時代に「AIの使い方は企業秘密です」は、もうダサい。 全部見せる。その上で「それでもこいつに頼みたい」と思ってもらえるかどうか。それが2026年のマーケ支援会社の勝負だと思っている。

この言葉こそ、本件の本質であり、これからのプロフェッショナルサービスのあり方を予言しています。私は、これを**「プロフェッショナル価値のブラックボックス時代の終焉」**だと考えています。

これまでのコンサルタントや代理店といった専門家は、その価値の源泉を「独自のノウハウ」や「秘伝のプロセス」というブラックボックスの中に置いてきました。顧客は「どうやるか(How)」を知ることはできず、完成された「成果物(What)」に対して対価を支払ってきました。

しかし、Claudeのような高性能AIの登場は、この構造を根底から覆します。24の業務リストが示すように、これまで専門家がブラックボックスの中で行ってきた作業の多くは、適切な指示さえ与えればAIが実行可能になりました。つまり、「How」の部分が民主化・コモディティ化し始めたのです。

この時代に「やり方は企業秘密です」とブラックボックスを守り続ける戦略は、もはや通用しません。顧客は「そのやり方なら、うちでもClaudeでできるのでは?」と疑問を抱くからです。

では、これからのプロフェッショナルの価値はどこにあるのか。山本氏のツイートが示す答えは明確です。それは、**AIを駆使した業務プロセス全体を設計し、管理し、最適化する「設計思想」と「実行能力」**にあります。

  • どの業務に、どのAIを、どのツールと組み合わせて使うか?(AIオーケストレーション能力
  • AIにどのような指示(プロンプト)を与え、思考の壁打ち相手としてどう使うか?(AI活用設計能力
  • AIの出力を鵜呑みにせず、どこに人間の知見(事例、経験、洞察)を加えて価値を高めるか?(人間とAIの協業設計能力

24のリストは、単なる作業手順書ではありません。山本氏のチームが試行錯誤の末にたどり着いた、マーケティング業務における「AI活用設計図」そのものです。彼は、この設計図をあえて公開することで、「我々の価値は、個々の作業を隠すことにあるのではない。この優れた設計図を描き、誰よりも上手く実行できることにあるのだ」と宣言したのです。

まとめ:あなたの「24の業務リスト」は何か?

山本氏のツイートは、マーケティング業界に限らず、すべての知的生産に関わるプロフェッショナルに重要な問いを投げかけています。

  • あなたの仕事は、AIによって自動化可能な「作業」ですか?
  • それとも、AIを組み込んだプロセスを設計する「設計」ですか?
  • あなたが顧客に提供している価値は、隠された「ブラックボックス」に依存していませんか?
  • あなたは、自分の業務プロセスを「全部見せ」てもなお、顧客から「あなたに頼みたい」と言われるだけの「設計思想」を持っていますか?

2026年、AIを「使っている」だけでは、もはや何の差別化にもなりません。いかにAIを業務プロセスに深く組み込み、独自の「型」を創り上げ、それをオープンにした上で、なお選ばれる存在になれるか。その競争が、すでに始まっています。

まずは、あなたの仕事を24のリストのように棚卸しすることから始めてみてはいかがでしょうか。その中に、AI時代のプロフェッショナルとして生き残るヒントが隠されているはずです。


参考文献

[1] 山本 伸弥氏のX投稿 (2026年3月6日). https://x.com/arupoki/status/2029792962918633573

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